hekitter's log

エモいエンジニアが幸せ世界を目指します

プロメアに2時間だけください、ほんと。

久しぶりなのに、真面目に書くことがふっとんじゃった。

TRIGGER新作劇場映画のプロメアについて語ります。 ただのオタクの早口で読み飛ばしてください。

promare-movie.com

ちなみに私はTRIGGERチームがまだガイナックスだったころの『天元突破グレンラガン』でアニメに走った口です。
グレラガ好きは見たほうがいい。マジで。
キルラキル好きも見たほうがいい。
普段アニメなんか知らねーよって人も、まいにちつれーわって人も見たほうがいい。 そして私は、リロがすきです。リロかわいい。

なぜプロメアを見るか

普段映画なんて正直全く見ないし、言うほどアニオタではない私が、なぜプロメアを見るかというと、「今石監督×中島脚本」だからですね。
アニメ界の細かいことは知らないのでなんですが、端的に言えば、感性というか性癖的なものが一致したアニメ監督と舞台作家が組んだ、最高に面白いエンタメを見せてくれるんですよね。アニメでもドラマでも虚構の物語って全くの「虚構」であることはありえなくって、どこかで現実・人間社会への示唆やメッセージ性というのがあると思うんですよね。でも、このタッグの作品は、(メッセージが全くないとはこれっぽっちも思わないけれど、それ以上に)「俺たちの考えた最高に面白い話」を好きに作ってる感があるんですよね。 昨今考えさせるような作品が多いだけに、ポジティブに頭空っぽに見れて、ああ面白かったって言えるのが、このタッグのいいとこですね。
それをささえるのが、写実に寄らない、ちょっとアメコミにもちかいような、でありながらガイナらしい動きまくる作画。まさにアニメだからこそできる絵作り、色彩。

アニメだからこその世界観

私のポリシーじゃないんですが、アニメってアニメだからこそできることをしてほしいってのがちょっとあります。
最近はCGだのあれやこれやで実写でも、大規模にドーンみたいなことやれるじゃないですか。人間の感情表現それ自体だったら俳優が直接やるほうが、伝わりやすいとは思いますよ。でも、アニメだからこそとれる絵だとか、カタルシスだとか、そういうのが好きなんですよね。
で、TRIGGERって何となくですけど、そこにこだわっているような気はしますね。ロボットモノなんかは最たるところですし。
人名とか、ここぞという時の字幕演出とか、あれがいいんですよね。割と情報過多だからこそ、あれがきいてきますし、物語を阻害するどころか、物語観を深めているというか。
脚本の中島さんも普段は劇団の脚本家です。(1回新感線は見に行きたいんだけれど、、、チケットほしい、、、人気だもん、、、)放映するアニメーションだと、12話とか24話あるから、どうしても緩急って必要だと思うんですよね。まあ、ほかのアニメより圧倒的に急ばっかりですけど。で、今回映画ってことで、だいたい舞台と同じような時間じゃないですか。ずっと急、と思いきや意外とそうでもない。ホーム時間に近いからこそのまたテレビアニメとは違う緩急なんですよね。(TRIGGER経由で中島さんをしったなら、劇団新感線の蛮幽鬼を見たほうがいい、ほんと面白いし中の人でああなるほどとなる。)世界観重視でも人間模様重視でもない、魂の熱さなんですよ、あれが。

中の人のイメージとのマッチ

大体において、有名人が声優をやるのってあんまりいい思い出ってないのですよね。
でも、上手いんですよね、TRIGGERというか中島さんというか。普段から芝居を通して、理解がある人をちゃんと呼んでるんですよね。グレンラガンの時から。でも、決してその俳優さんの顔が出てくるわけじゃないんですよね。
今回で言えば、堺さんって目が細めで善人っぽいけど裏がある人って期待するじゃないですか。グレイって、その路線ど真ん中じゃないですか。 でもグレイはグレイという強大で危うい善性の上に成り立つキャラで、堺雅人のやってるキャラっていう認識じゃないんですよね。

過去作とのリンクが熱い

前知識あんまりなしでみました。
でも、ポスター絵だけは知ってましたよ。
どう見ても、第一印象のガロってカミナじゃないですか。ガロほどのシンクロ感はないけど、リオって皐月様のような高潔さをぱっと見感じるじゃないですか。私も正直ちょっと怖かったんですよ。カミナはカミナだし、でもなんでそれに近いキャラをわざわざ主役にするのって(ついでににそこまでやるなら中の人も…って思うやん)。
たしかに、グレンラガンイムズというか、熱血属性はありますよ。でも、これはグレンラガンではありえなかった物語なんですよ。カミナみたいな「兄貴」ではないし、カミナほど幼くなくてむしろ、成熟している。そのキャラの哲学それ自体が物語の根底にある。
リオはそれこそカリスマ性が高いけれど、むしろ幼い危うさがあるんですよね。かわいい。主張はガンジー

そして、周辺キャラの中の人が憎いですよね。
カミナ・ヴィラル→バーニッシュ
流子・皐月→グレイ配下
生徒会四天王(猿投山はヴィラルだけど)→バーニングレスキュー
もはや意図的だし中の人wwだけど、それが嫌じゃないんですよ。たぶん舞台みたいな中の人込みでの面白みがあるから。

音楽がストレートによい

私、基本女性ボーカル好きです。特にアニメBGMでの、啼きの女性ボーカルって好きなんですよ。一番は攻殻機動隊菅野よう子さんのあのBGMのイメージ。
今回、ドはまりでしたね。各勢力ごとにBGMがあって(好き)、それが各勢力のイメージに合ってて、特にバーニッシュのテーマがいいんですよね、孤高で理解されない感じ。サントラでないんですかね・・・?って、出てるやん。買うか。

ホント、もう一回は見に行きたい。できれば爆音上映とか、応援上映とかでかつ、環境のいいとこで見たいし、私も滅殺開墾ビームしたいし、あの意味の分からんアクションの作画をもう一回見たいし、ピンクの炎に焼かれたい。何ならプロメティックエンジンになりたい。

技術書典6向け執筆お知らせ&当日お知らせ

4/14(日)は楽しい楽しい技術書典6ですね。

techbookfest.org

前回の感動から約半年、曲がりなりにも作る側として参加できそうです!
というわけで、簡単にお知らせです。

執筆協力

エンジニアの成長を応援する本

コミュニティ「エンジニアの成長を応援する会」の合同誌です。
そのうち「第4章 やってみたい駆動」を執筆しました。
前回の技術書典5からの道のりをなるべくそのままにお伝えする形となっております。

アウトプットの背中を押してもらえる1冊となっております。
頒布は委託先、親方Project(あ01)にてお値段たったの1000円!

詳細は主催のariakiさんのnoteに譲ります。

note.mu

ワンストップ勉強会

おやかたさん主催「親方Project」新規合同本の1冊です。
「第1 章勉強会って何? 初めての勉強会に⾏ってみよう!」を執筆しました。
勉強会って聞いたことあるけれど、そもそも何だろうか、どうしたらいいのだろうかという方向けです。

他にも勉強会でのLTや主催等勉強会にまつわる裏表満載でございます。
こちらも同じくサークル親方Project(あ01)にて1000円で頒布。

詳細はおやかたさんのnoteにて。

note.mu

挫折論への招待

Growthfaction新刊『挫折論への招待』にてコラム寄稿ならびにVTRyoさんパートの取材協力をいたしました。
現在進行中挫折ぎみの私が言うのもなんですが、、、世の中のままならなさを嘆くよりもできることが きっとこの本で見つかるはず!

取材協力でも語った当時の闇を思い出すとコラム寄稿はあっさりとなってしまったので、 どこかでやんわりと補完はしたいなという気持ちです。

頒布はGrowthfaction(さ03)にて

詳細は主催のてぃーびーさんブログにて

tbpgr.hatenablog.com

当日情報

基本的に1日中会場近辺におりますので、hekitterさんと握手しようね!

売り子

執筆した『ワンストップ勉強会』の主催サークル「親方Project」(『エンジニアの成長を応援する本』の委託先)にて売り子してます。

また、デブサミでおせわになりました、ゆうこりんこと近藤佑子さんのサークル「こりん堂」(か16)でも 売り子手伝い予定です。
『これからはじめる 静的サイトホスティング』を頒布予定です!

techbookfest.org

after

技術書典終了後には以下の非公式アフター参加予定です!

techbook-and-ethanol.connpass.com

ここでもhekitterさんと握手しような!

倉貫義人 × 沢渡あまね トーク&ワークセッション「新しい組織・働き方のあり方」 所感

久しぶりに外部の勉強会に参加できたので、簡単にレポートします。 おまけで、最近手書きメモにはまってしまったので、乱筆ですが共有してみようと思います。 今回は気になったところをピックアップするかたちでいきましょう。

イベント概要はこちら

funplot-event.connpass.com

自己紹介

人月商売の無駄と原因

倉貫さんの自己紹介より。 人月商売ど真ん中にいる人間としての何とも言えない切なさを感じます。 SIは要件→工数→契約→売上の流れにいます。 そのために、工数=人月を企業としては(見せかけか実質かはともかく)増やしたいというインセンティブにしかなりませんね。 それに、要件をきっちりやる時間(お客様との会話ならともかくそのための資料や社内調整)によってビジネスチャンスを阻害しますね。 だから、ソニックガーデン(以下SC)では要件定義やそれに紐づく納品という概念をなくしたというお話。

最近ようやく要件定義に足を踏み入れるようになったSIとしては、契約云々のところは誠にそうだなと思います。 だが、更にどうしようもない状態になると要件が適当で、不明瞭な追加要件が契約内でじゃぶじゃぶ入ってきて、 お金増えないし人も増えなくてデスマ(闇)

管理ゼロだけれど…

倉貫さん自己紹介より。

管理ゼロ本は確かに最初タイトルを見たときは、どういうことだと思いましたが、 (上からの)統制的管理がゼロで、それ以上にセルフマネジメントによって成り立たせるということだなと本を一読したときは思いました。今回のセッションで大筋はあっていたけれど、更に考えるべき要素があることに気づいたのはまた後の話。

職場のもやもやへの対応

沢渡さん自己紹介より

職場のもやもやは定義(言語化)→測定→共有・発信→改善のプロセスが必要。 もやもやをもやもやにしている限りは愚痴以上の感情の悪循環しか生まれないですね。 雑でも言葉に出すという勇気が必要。 (なおクオリティ低いものを言葉にするとけなされ、勇者つぶしの懸念も…)

日本語「管理」の多重さ

沢渡さん自己紹介より 日本語で管理というときに、大きく3つのことを含んでいる

  • Management
  • Controle
  • Administration

この3つの役割を日本では1人の「マネージャー」「チームリーダー」に任せてしまうことが、マネージャーの悲劇の始まり。 特に、マネージャーが優秀プレイヤーからの昇格というケースだと3つのいずれも苦手であったりして、二重の悲劇ですね。

トークセッション

管理は必要か否か?

・沢渡さん 管理単体ではお金を生まない。お客様にとっても、管理自体は価値ではない 管理が必要なのは、会社・チーム全体が本来価値を創出する活動を推進できるようにすることに意義がある。 しかし、アンヘルシーな現場の「管理」は「上司ごっこ」が横行し、現場のスピーディーなコラボレーションが損なわれている。

・倉貫さん 管理は不要(マネジメントは管理より上の概念ととらえている) そもそも、「管理」が必要なのはプロセスの定まった定量的な仕事を効率的にこなすための「大量生産時代」ものであっただろう。 しかし、現在の働き方では毎日決まった仕事を行っているわけではない。そういう仕事をコントロールし、評価することは無意味。

概ね同意でした。「管理」という名で管理職の役割・仕事を増やし、現場の主体性を損なうような「管理」がなされることがあまりにも多いです。 だが、そもそも主体的に動かない人が多く、管理職がおしりをたたいているという問題も裏返しであるのですね… そもそもの「組織」や「人」に対する考え方の違いがそのまま出るのかなあと(後述)

採用コストと管理コストと人

トークセッション倉貫さん発言より。

SCでは採用に1年以上かける。 それは入社する人が信頼できる「お友達」であってほしいから、その見極めには当然時間がかかる。 即ち「採用」のコストが半端なく高いです。 でもSCの価値観として、管理はしない、コストの観点で言えば、採用は一時コストだけれど管理は永続コスト。 逆に管理しないでもやってくれる、許せる人を入れている。

自分の見聞きするSI社会と真逆だなって思いました。ここにバリューの差が如実に出てますね。 SIは人月商売=必要な時にSESとして人を雇いますね。 SESの雇用は大体1か月くらいで見極め(SES会社からたくさん紹介してもらって選ぶ)をします。 その時の良くある残念パターンが

  • Java〇年などの経歴で足切り(でも実力は微妙・下駄をはかされている等)
  • 管理しやすい、従順な人が選ばれがち

そんな人を選んでいれば当然、管理(進捗・実績・勤怠)することが大事になってしまうのです。 相手のことを信頼することすらできないのです(そりゃ経歴が嘘だったりきれいごとだけ並べられたりして売られるわけだし) 何らかの圧力で「イノベーション」「カイゼン」に取り組むことになっても、そんなことをしたことのない、上から言われたことをやるだけの人の集まりでできるわけもないのですよね…

かるたからみる参加者の問題意識と課題

本音を言える景色・空気

沢渡さんの「本音を言えない」かるたに関するコメントより。

昔からずっと誤解していたのですけれど、自分を隠すこと・とりつくろうこと・かっこよく見せることが大人だって思ってたんですよね。 でも、そうじゃない、本音を言うことと人としての気遣いは両立するよねと改めて最近思う日々。 できないことにできない、よいことによい、変なことに変だといえることこそ(+課題策があるとなおGood)がかっこいい大人だと思えるようになったのです。

振り返りのスケジュール化

振り返りを気合・やる気で続けることはできないのでスケジュールに組み込む(倉貫さん) PJで利用しているRedmineならチケットにする(沢渡さん)

漸く私もわかるようになってきた・・・・ ホントに気合と根性というか、そういう自分の精神性を信じちゃいけないのです。 まずは振り返りの中身じゃなくて、すること自体・何かを決めて続けること自体から。 私も朝に目標(というほどじゃないけど何かしたい行動)と夜寝る前に確認・回想と言葉化をしてみてます。

組織の仮想敵

「論じてばかりで実行されない」かるたより。

経理部が~~」「本社が~~」って言っても、ステレオタイプ前提の心構えになってしまう。 そうじゃなく、「経理のhogehogeさんなら、相談できるぞ」みたいに、個人のつながりをうまく味方につけるべし。(沢渡さん)

わかりみのかたまり。つい自分もやっちゃうけれどね、人間の基本は1対1ですよ。 私も見えない壁としばしば戦うけれど、具体的な誰か・何か(課題)と向き合わないとね。

自分の行動と成長にフォーカスする

「論じてばかりで実行されない」かるたより。

誰かがhogehogeしてくれないって考えるだけ無駄、じぶんがどうするか(倉貫さん)

誰かの何かを待つ前に、自分の成長から。 私もやっと、待つより行動、今何かが必要で、自分の成長が足りなきゃ頼るが現場でも大事だと気付きました。 未だうまい頼り方って難しいですけれどね。 それがホントの意味で、自分を大事に、自分の人生を大事にすることかなあなんて思います。

人が変わる可能性

井の中の蛙」かるたより。

人は変えられないことが前提。でも変わるきっかけがあるとするならば、それはすごい人に出会って自分の可能性を感じられたとき(倉貫さん)

まさに、自分もこの半年、社外の凄い人と出会うことで、可能性実感・成長快感に近づけたのでしょうか。 半年前の自分が選べなかったことを選べるようになった自分に気づいたのです。 司会進行の西舘さんのお話も、まさに我が身ごとでした。

でも、もしかしたら会議でこれない人もいる、そういう時もある、それでも自分を責めないで(沢渡さん)

ホント、久しぶりにやっと社外に出られたタイミングでこの言葉を聞けて良かったです。 社外に出ないことを「選択」せざるを得なかった、しばらくの自分に感謝。

総括

今このタイミングで聞けたからこその、この感想かなって思います。 この1か月くらいのもやもや感・無力感・孤独感から立ち直れたからこそ、このイベントが染みるし、改めて人って大事だなって思うし、こういう場があることそれ自体が好きでたまらないし、そういう場づくりにも関わりたい・広めたいって思うのですね。

自分語りになりますが、そもそも、なんでいろんな負の感情にさいなまれていたのかなって考えますと、自分というものの行き場を失ってこの半年くらいの動けたガソリン切れでした。自分に向き合うのが怖くて、でも、何がダメかを自覚しつつその痛みをぶつける日々でした。 それはそれだけれど、自分の人生ってやっぱ「やりたいこと」「たのしいこと」したいじゃないですか。それこそhogehogeの壁を感じて辛いっていうのって、何も生まないじゃないですか。

色々越えつつある現在、改めて考えたときに「やりたいこと」「たのしいこと」が迷子だけれど、それが大事って思いなおせたこと自体が、この1か月の痛みの成果かなと思います。というわけで、また少しずつ楽しいこと探して広めて分かち合いましょう。

末筆ですが、倉貫さん・沢渡さん、司会の西舘さんありがとうございました。またお会いしましょう。

おまけ(メモ写真)

手書きで大雑把に書くのが結構好きな事に気づきました。 でも字が汚い…先を見通してメモできると、いい感じかなあなんて思ったり。

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Next予告

本日の主役?である〇〇さんとの、とある面白きことについて…

Developers Summit 2019 にLT登壇してFUNしかなかった話 #devsumi #devsumiE

昨日はDevelopers Summit 2019 2日目お疲れさまでした。
初めてのデブサミ参加、初めてのデブサミ登壇、まずは見に来てくださった皆様、エアで応援くださった皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございます。
いまだにふわふわと夢のような気持ちですが、まずは自分の登壇に絞って、ざっくばらんに感じたことを残しておきます。

登壇概要

私たちのセッション「アウトプットのススメ ~技術同人誌・LT登壇・Podcast~」の概要は

event.shoeisha.jp

登壇資料は(hekitterパートは34~54)

登壇前に伝えようと思っていたこと

今回の登壇は7名の合同LTでした。

@oyakata2438:技術同人誌巻き込み神
@ariaki:アウトプットと成長神
@hekitter:…?
@長村ひろ:技術同人誌とAWS
@mochikoAsTech:技術同人誌売り上げ神
@KANE:Podcast
@えるきち:技術同人誌とまとめ神

皆様いずれも、今までのアウトプットの積み重ねとその結果が明確にある方ばかりです。この中で、なぜ私…?という感じしかありません。
だからこそ役割は明確です。

「未/少アウトプット勢に第一歩の始め方と結果を伝える」

とはいえ、どう伝えようか、いつものLTのごとく、12月~1月結構悩んでおりました。
こういう悩みは場数の問題かもしれないです。場数が嵩めば、自分の型がもっと明確になり、ぶれなくなってくると思います。1

と思う中、一つ明確に「こうしよう」と今回の方向性に思い至ったのは、1/26インフラ勉強会オフラインイベントの沢渡さんのセッションを受けて、これくらいの熱量で何とか伝えられないかとおこがましくも思ったことがきっかけです。
沢渡さんのセッションから感じたこととして、「事実」以上に胸を打つものはないのかもしれない、だから自分の「事実」+「感情」をベースに伝えようと思いました。皆さんほどの大きな成果はなくとも、行動した事実と結果はあるので、それを主軸にプラスで「なぜそういう行動をしたのか」「その行動から何が得られたか」をなるべく平たい言葉で伝えられれば、それが私のミラクルストーリーとして誰かの行動のきっかけになるかもしれない。

そんな考えに基づき、自分にとってインパクトのあった行動を並べて、それに抽象化した言葉をつけていった。そんな感じでできたのが今回のスライドです。

おやかたさんの記事でも触れられていますが、ariakiさんにテンプレートを作っていただき、微調整も含めて仕上げていただいたからこそ、内容に注力できたのは今回本当にありがたかったです。ariakiさんありがとう。

デブサミの熱にしゃべらされたこと

2日目朝から1参加者としても数セッション伺いました。本当は全コマ行こう、なんて思ってましたが、インプットには体力を使うもので、自分のセッション用の体力も考えて、泣く泣く厳選しました。

  • 【15-E-1】ソフトウェア開発の「今ココ」に適応するために― カイゼン・ジャーニーから見つかった新たなfunと前進への旅路 ― 市谷 聡啓 [ギルドワークス]/新井 剛 [ヴァル研究所・エナジャイル]
  • 【15-D-6】ことばだけでは足りません、描いてシェアして伝えていこう! 高野 明子[Sider]

限られた時間でも特に私の尊敬する方のセッションを聞けたことは幸いでした。その熱を受けて、同じ舞台に立つことに改めてその意味の重大さもかみしめました。

実際のセッションについて、200人の会場が本当に満員になるのか、とずっと疑っておりました。 事前申し込みですぐに「満員」の文字が出ること自体も正直信じられなかったのです。 ふたを開けてみれば、会場を見てみれば本当に満員。ありがとうございます。

そんな会場、7人のセッションという異例さもあり、バタバタしながらも始まりました。
トップバッターのおやかたさんのを席から応援し、次点のariakiさんのLTを壇上の後ろの席から見守っていました。
ariakiさんのLTはいつも通り素晴らしいなとスライド時点で思ってました。経験と知識に裏打ちされた説得力・論理性、そこに加えて見守っていた場所もあって、今までに感じたことがないariakiさんの熱に圧倒されてました。成長を応援すること自体が生き様である、ariakiさんの背中からひしひしと感じました。しかも、ariakiさんのLTは後ろのメンバにつなげるというバランスポジション。その想いというバトンを受けて、自分のLTに臨みました。

数値上の結果で言いますと、本当は1人7分尺めどに話すところ、4分ほどオーバーしました。後ろでリカバリーしてくれたKANEさん・えるきちさんありがとう。本当にごめんなさい。 2 登壇者の目線で言いますと、壇の前に大きな時間表示があり、時間の確認ができます。途中で、「時間が足りない」ということもわかりました。いつもなら、もう少し焦りや「巻く」意識が強く働いたとおもうのですが、実はそこまで「巻き」モードになりませんでした。

自分の中で「hekitter」というものは一つの仮想人格としてとらえているところがあります。
その仮想人格としてのhekitterがhekitterを題材にしつつ、無意識的にあの会場で何かを伝えたがっていた。そんな気持ちでしゃべっていました。あるいは、昔の私に何かを伝えたかった、そんな気持ちもあったと思います。自分でもよくわからない何かに動かされて、元のスライドもメモもどうでもいいような気持ちでしゃべっていた。今思うとそういう境地だったと思います。 だから時間がどうこう以前に、伝えたい、可能性を広めたいという思いのまま、ぽつぽつと出てきた言葉をそのまま発していたのではないかなと思います。

その結果、メンバーの中で「前菜」のポジションでしゃべるつもりだったはずが、ただただ謎のエモさを残すことができたのではないかと、おもいます。正直、自分で何をどうしゃべっていたのかというのが思い出せないのです。無意識の熱量に動かされていた、そんな記憶しかありません。

登壇後の余韻

登壇終了後、打ち上げ中ずっとTwitterで反応を観測していました。3Twitter再開してみた」「アカウントとってみた」「執筆しようかな」etcetc…行動が観測出来て、興奮しかありませんでした。見つけては、きゃっきゃしてリツイート&自分に言及されていたらリプしまくってました(いきなりリツイートされてびっくりした方すいません)。

自分にとって今回の登壇が成功だったといえるのは何をもってでしょうか?
執筆者にとっては、執筆仲間が増えること。PodcasterにとってはPodcastに興味を持ってくれる人が増えること。

私は、大きな結果もなく特定のアウトプットのプラットフォームがあるわけではありません。
だから明確にXXをもって成功とするというのは、ほかの人ほど言えないかもしれません。

でも一つだけ言うなら、自分の価値に気づくきっかけになること、自分の意志で動くきっかけになること、それが観測できたことで、自分にとっては同じような熱をそれぞれの舞台で感じてくれる可能性のある人を生み出せたのではないかなと思うのです。この方たちが、FUNを探しながらどんどん次の行動に進んでもらえれば、それに勝る結果はないのかなと思います。

そして、自分自身としても、今回の登壇を更に行動の歩幅を広めるきっかけになれば、今回の登壇が良かったものとして残るのではないか。そう感じます。

自分へのメッセージ

実は登壇前1週間は自分にとって、結構気分的にもどん底週でした。
仕事上のあれこれ・登壇に対する無意識のプレッシャー・インプットアウトプット不良etcetc で何も手につかない、体調も最悪といった感じでした。
それは自分で「お前の仕事の成果・アウトプットには価値がない」「半年の時間があってお前の成長はそんなものなのか」と無意識的に追い詰めていたからに他ならないのかなと思います。
でも、何とか持ち直したのは、自分には何を言われても届けたい思いがある・その行動事実がある・それを受け入れてくれた人がいた・それをきっと待って期待してくれる人がいる、そのことを思い出したに尽きると思います。

だからこそ、自分の登壇を思い返してみると、「Message For YOU」は1週間前の私への「Message For ME」でもあったのかな、そんな思いで登壇の神様が応援してくれていたのかな、という不思議な気持ちでしゃべっていました。

本当に、かけがえのない時間をありがとうございました。
まだまだ、私のFUNは始まったばかり。
次のアウトプットでお会いしましょう!!


  1. とはいえ、すでに自分のLTにもある程度型はあります。最初に問いかけを入れて、観客と一緒に考えたいというのも1つです。これがいいか悪いかは今回の結果を踏まえてそろそろ考える時期かもしれません。

  2. 本格的にタイムマネジメントの修行に出ねばと思いました。反省はしているが後悔はしていない。修行法を教えてください。

  3. 一見すると全員Twitterしている打ち上げ。仲が悪いのかな?いえいえ、これが最大の肴。

EMFM Meetup #1 所感 #EMFMM

ゆのんさん・広木さんパーソナリティエンジニアリングマネージャーのためのPodcast、EMFMの1万回もとい2万回再生記念の公開収録イベントEMFM Meetupに参加してきましたので、所感を残しておきます。

EMFMはこちら

anchor.fm

イベント詳細はこちら

emfm.connpass.com

前提

私は、EMではないです。今を時めく企業所属でもないです。
マネジメントって雑務と責任だけ増えて辛いものと思ってました。
でもいろんなマネージャーの在り方を知って、私もやってみたいと思う、さえないエンジニアです。 (広木さんの「東京中のEMが集まっている」という言がありましたが、本当に周りの方々を見ると「強い…エンジニアの展覧会か…という感でした)

EMFMを聞いたり、公開収録を聞いたりしても、実は「私なんもわかんない」というトレンド遅れの人間です。
今理解はできなくても、1エンジニアとして心に刺さったところだけ、抜粋します。

所感

豪華すぎるスポンサー

メルカリ:
会場提供(ちなみに、社で一番大きい会場だそうな(200人+結構な余裕あり))
椅子がデスク付きでPCをおくのに、とても助かった。

Forkwell:
食事スポンサー。季節柄、恵方巻大量デプロイでした。

リンクアンドモチベーション
ドリンクスポンサー
先日はお世話になりました。

mixi
デザートスポンサー なかなかない概念。(by広木さん)

石井食品:
デザートスポンサー2

1meetupでこれだけのスポンサーがつくのは異例だろう。
それだけEM不足・よいEMの価値の高まりがうかがえる。

本編

メルカリがダイバーシティを重視するわけ

メルカリでは新卒をインドから採るなどのダイバーシティ採用戦略を進めている。
この背景として多様性に富んだ価値観でトライをしたほうが予想もしない、良い結果が出るのではという価値観がある。
トップダウンではなく、自然と良いものができる世界を理想としている。
そのほうが、イノベーションの頻度・速度が増すというUSでの名村さんの経験に基づく。

勿論、簡単なことではない。
価値観が違うことを前提に、それぞれの強みを生かしつつ1つにすることがEMに求められる。
例えば1on1のやりかた一つをとっても、日本であればどちらかというと相手の悩みを聞いて行動を促すような側面が大きいが、インドの方であれば、逆にやってもらいたいことを正確に要求する場として機能する。
マネージャー自身、常にやり方を模索し改善する必要性がある。

「信頼するけど信用しない」

チームの在り方として、相手に対する信頼はするけれど、成果に対しては確認できないうちは信用しない、といったニュアンスととらえました。

信頼
[名](スル)信じて頼りにすること。頼りになると信じること。また、その気持ち。「信頼できる人物」「両親の信頼にこたえる」「医学を信頼する」
出典 小学館/デジタル大辞泉

信用
[名](スル)
1 確かなものと信じて受け入れること。「相手の言葉を信用する」
2 それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。「信用を得る」「信用を失う」「信用の置けない人物」「店の信用に傷がつく」
3 現在の給付に対して、後日にその反対給付を行うことを認めること。当事者間に設定される債権・債務の関係。「信用貸付」
出典 小学館/デジタル大辞泉

確かに、辞書上の定義を見て、感覚的になるほどなあと思った。
相手がメンバーとして在ることに対して「信頼」するけれど、ビジネスとしてその成果についての「信用」は鵜呑みにすべきでないということだろう。
自チームを振り返ると、逆になりがちで「成果」に対して後になって、何でできてないんだとなりがちなので、この価値観を逆転させねばなと自戒も込めて認識した。

優秀なエンジニアとは

自分で意思決定ができること。
自由に意思決定をし、何かに挑戦してみて上手くいかなかったこと自体は仕方がない。
上手くいかなかったことをマネージャーがデータドリブンで判断することが大事。

カオスエンジニアリングの必要性

そもそもカオスエンジニアリングとは?
調べてみたところ、NetflixCookpadが「カオスエンジニアリング」でやっていく宣言を出している。

qiita.com

今回の文脈ではシステム的方法論というより、エンジニア組織の在り方としての「カオスエンジニアリング」が議題に上がったと認識する。

一般的な優れたマネージャーがいる組織では、逆にその人への意依存・権限集中が起きやすい。
何かトラブルが起きた際に、徐々に「集中状態が良くない」と認知され、周辺への権限移譲がされていく。

しかしそうではなく、さらに上を目指すマネージャーとしては、「2~3年で自分がいなくても回るチーム」をつくるように、ふるまう必要があるのではないかと提起する。そうしないと、そのチームが進歩した・成長したというフェーズに入らず、停滞していることに他ならないからだ。即ち、チームの在り方自体がプロダクトやビジネスの成長のメルクマールとして認知しているということだろう。

「EMである自分がいなくても回るチーム」=「自分を首にできるチーム」を作ること、イコール個々人の多様な価値観と実行力に支えられたチームを作ることそれ自体が、カオスエンジニアリングでは、という提起と受け止めた。

コミュニケーションについて

例えば、最近大きく取り上げられがちな1on1。最終目標としてお互いが「アグリー」することが大事。
マネージャーとしてはビジネス上の要望と現時点のフェーズ、メンバとしては各人のファクトとレコメンド、そしてWILLを区別してすり合わせる必要がある。

例えば、メンバーがhogehogeのスペシャリストになりたいというWILLがあったとしても、ビジネスの要件にそぐわなければ、そのWILLはかなえられない。
その人が入りたてほやほやの人であれば、まずはそのスペシャリストになる道よりも、周辺知識を身に着けることが大事と判断される局面もある。

自分として、釘を刺されたようなコメントだった。
「〇〇になりたい」というゴール像があったからといって、すぐにそれ自体に携わることができるわけではない。
そこに向かうための道筋を一歩一歩進み、都度ファクトベースで証明する必要がある。
○○にすぐに近づけないことで焦りを感じる必要性はないのかなと、ちょっと自制した。

総括

本当に話が濃かったという小並みな感想になってしまった。
あらためて、EMFMの目的「EMの価値を伝えたい、面白みを伝えたい」という観点でいうと、自分も結構影響を受けていると思う。
自分の環境のマネージャー(EMとはいわないが)をみると、雑務もりもり責任マシマシという状態のものしか見ていなかったがために、マネージャーなんて嫌だなという感しかなかった。
だが、EMFMや書籍などにプロダクトやチームを成長させるための「役割」としてのEMという価値観を教えてもらえたからこそ、まだまだ実力不足ながらもこういうMeetupが楽しいな、行きたいなと思えるようになった。

改めて、EMFM2万再生(ちなみにイベント翌日に3万再生を突破しまった)おめでとうございます!
そして、EMFM応援団という応援システムができたこと、本当にうれしく思います。
耳からだと脳内処理が追い付かないからこそ、文字で追いかけられるのはありがたいなという気持ちでいっぱいです。

そして、現地でご挨拶させていただいた皆さま、ありがとうございました。またお会いしましょう!

#インフラ勉強会 1周年イベント INFRA STUDY SUMMIT 感想

1/26(土)開催、インフラ勉強会1周年記念イベントの学びと感想を語りたい。 当日中に書く予定だったのだが、想定以上の学びと感情量の整理のため、1週間もたってしまったこと、ご容赦願いたい。

インフラ勉強会とは

インフラ勉強会とは、一昨年12月にたちあがった、「日本最大級のオンライン勉強会」である。
詳細はこの後、イベントの登壇の中でも語られるため、そちらに譲る。

インフラ勉強会オフラインイベントとは

普段はオンラインでしか集わない参加者が、オフライン上で学びを共有し、今後の継続的オンライン活動に還元する場である。
もちろん、いつもどおりオンライン上でも学びが共有されているところが「インフラ勉強会」としてのアイデンティティを保っているといえる。
今回のセッションは1週年ということもあり豪華すぎて、正直1500円の参加費でいいんですか、といいたいくらいである。 1

公式イベントHPは

infra-workshop.github.io

インフラ勉強会と私

イベントレポに入る前に、私がインフラ勉強会を知ったきっかけについて少しばかり話したい。

外の勉強会に参加するようになった2018年10月ごろ、自然とTwitter上で「インフラ勉強会」という文字にであった。
ちょうどインフラ自体に興味を持ち始めた時期であり、参加してみようかなと思いつつも、「強そう」2な登壇内容が多く、ためらいもあった。

だが、たまたまRedmineのセッションがあることを目にし、自分自身になじみのあるツールについて、ほかの人がどう思っているのだろうかと気になったことをきっかけに、インフラ勉強会に参加、以降時間と興味関心の合う時に、少しずつ参加するようになった。

そして、マネージャー問題地図1丁目輪読会での声掛けをきっかけに同7丁目の登壇が決定、先日1/19に無事インフラ勉強会初登壇を果たした。3

イベントレポート

開始前

オンライン発祥ということもあり、普段参加する勉強会でもなかなか見かけない方がおおかった。

今回、自分としてよかったなと思ったのは

  • アイコンを自画像風にかえたことで認知性が上がったのか、声を掛けられやすくなった
  • 念願の沢渡あまねさんに声をかけられた!!4

前説

不覚亭ヨウ素さんと平田豊さんによる、前説漫才という名の注意事項etcからスタート。
今回のイベント応募者は120名ほど(当日の出席者は8割ほどとのこと)、北は北海道から南は岡山まで、全国各地から集まったそうだ。オンラインで学びの場を提供しているからこそである。 司会であるヨウ素さんも大阪、ゆたかさんも北陸からいらっしゃっていることも感慨深い。
当日は雪の心配から、遠方からいらっしゃった方にとっては来場できるか/帰宅できるかという問題もあったが、セッションの合間合間で新幹線や飛行機の交通情報が共有されるというのが、非常に新鮮であると同時に、安心感も高めていたように思われる。5

なお、こんなにおもろい司会もとい、漫才前説はなかなかない。
偶然かもしれないが、登壇者の湊川さんもなつよさんも関西出身、実は私も関西出身なので、無意識的に突っ込み・ボケが入ってしまう空間になつかしさと安心感を覚えてしまった。6

注意事項のなかで、共感したこととして写真撮影の原則NGがあった。
オンオフの垣根が低くなっているとはいえ、少なくとも一参加者が勝手にSNS等に登壇者の写真をあげるのは、私としてはご遠慮願いたいなと思っている。

開会のあいさつ@ゆたかさん

そのまま続いて、ゆたかさんによる開会のあいさつ。

資料は

docs.google.com

テーマは「インフラ勉強会1年の振り返り」

湊川さんによるグラレコ

数字で見るインフラ勉強会

現在、インフラ勉強会は

  • 経過日数:399日(1/26現在)
  • 運営:約50人
  • オンライン接続数:平均500名超
  • セッション総数:533回(~2017/12/31)

このような数字の上に、「日本最大級のオンライン勉強会」というお題目が成り立っている。

インフラ勉強会拡大の理由

オンラインのみで完結

勉強会の舞台がオンラインのみで完結していることが大きい。登壇の登録・参加・交流すべてがオンラインでセッティングされている。このことが既存のオンライン「中心」のコミュニティとの差別化になる。

これに加えて、新参者の私から見ても参加・登壇自体の方法の簡易さも付け加えての「オンラインで完結」するコミュニティといえる。

登壇の自由さ

「どんな人」が登壇してもよいし、いわゆるエンジニア技術に閉じずに、生活をよくする方法やマネジメント・質問会も含めた登壇内容の幅の広さも大きい。

確かに、勉強会の名前の通りの「インフラ技術」に閉じた勉強会であれば、ここまで大きく広まらなかったし継続できなかっただろう。私も、初登壇は輪読会という、明確なテーマに乗っかったかたちだからこそ、簡単に参加できたし、「いきなりステーキ入門」のような遊び心のある登壇も多数あるからこそ、多くの人が気軽に参加できるようになっただろう。
そして、いかなる登壇でも必ず聞く人がいる状態になったことで、更に登壇へのモチベーションや意義が高まり続けている。

「ムーブメント」をつくりあげたこと

ゆたかさんがあげる一番大きな理由は、インフラ勉強会が、エンジニア界隈への「ムーブメント」になったことで、より多くの人に興味を持ってもらえるようになり、その結果さらに多くのコミュニティを支える人を獲得できるサイクルができた。これにつきる。

紹介されていたこちらの動画を教訓にすると、コミュニティが広まるには

①1人目の発足者・発起人がいる
②2人目のフォロワーができる
③2人目のフォロワーが次々に人を巻き込む
④その連鎖で、取り巻きの立場であった人たちも加わる

というような段階がある。
①→②が一番大変で、そこにいきついて「楽しさ」や「盛り上がり」が可視化されればおのずと、人が集まり「ムーブメント」ができる。だからこそ、発起人・リーダーは2人目~最初の数人のフォロワーを大事にする必要があるとのこと。

マネジメント論ととらえても、奥底が深い言葉だと感じる。 人は一人では何も大きな波を作れない。だが、最初の一人がいなければ、小さなさざ波すら立たず、そのあとに波を引き継ぐものがいなければ直ぐにその波は消えてしまう。
だから、人と何かをできる、何かを一緒にやろうとする仲間がいることそれ自体が尊い活動だ。
その結果にどこまでこだわるか…悩ましいが、今大事なのはその仲間がいるという事実に目を向けることだろうか。

コミュニティ継続のコツ

ゆたかさんがかかわるとコミュニティが長期化する…というジンクスもあるそうだが、長期間活動するコミュニティにかかわっていらっしゃるからこそ、ゆたかさんからみた継続のコツは以下のとおりである。

  • 感情的にならない
  • いやいや活動しない
  • 無理しない

要するに、コミュニティ活動は、仕事のような義務と見返り(給与)に基づく活動ではない。
だからこそ、しんどい時には無理をせず、相手の善意を尊重して、距離を適宜調整しながら参加することが大事である。

加えて、最も大事なものとして、

  • 折り合い力

があげられる。 仕事とは異なり、基本的に上下に基づく関係性でもないフラットな繋がりである。
だからこそ、かかわる人が当事者意識を持ち、共通の問題意識による感情を共有することが、コミュニティの大前提である。
そのため、相手を自分の鏡としてお互いを尊重し、課題に対して相対することが肝要である。

最後に

配布されたリストバンドを掲げながらIEEE!!!
オフラインでよかった。

S1: インフラ勉強会にみるコミュニティへの貢献@ひよこ大佐

1番手、ひよこ大佐さん。
Twitter転職のキーワード、#hiyokotaisanitudukeでおなじみ。
現在はその転職を機にRedHatにてAnsibleのサポートエンジニアとして活躍。 資料は

speakerdeck.com

貢献とは何だろう

エンジニア界隈で「貢献」といえば、多くはOSSへのコミットなどの「開発」に対する技術的貢献のイメージが強い。だがそれだけが貢献だろうか?
貢献とは、以下の観点で自分の持つ資源・資産を提供することである。

  • 時間
  • お金
  • 知的財産

先に例に出したOSSへの貢献を考えても、

  • 開発
  • ドキュメント整備
  • テスト
  • デザイン
  • 金銭支援

など、貢献できるポイントはいろいろ存在する。

今回特に対象となる、「コミュニティ」は個人の「貢献」なしには成り立たない。
別に仕事でお金になるわけでもないのに時間や労力を大なり小なり割く必要がある。果たしてそれは「自己犠牲」なのか?
いや、そうではないだろう。おそらくコミュニティに継続的にかかわっている人にとって、それは自己犠牲ではなく、本当に楽しいからやっているものだ。そして、その楽しい活動がいつしか巡り巡って還ってくる活動だろう。

確かに、コミュニティに限らず、外部の活動はしんどければ続かない。
いつのまにか、気が付けば、どっぷり嵌っていた、やっている状態が当たり前になっている。
私にとってもそういう活動だと、ここ数か月を見て、そう感じる。
体力的なしんどさやその時々の優先順位はあっても、無理だとかもう嫌だとか、そう思ったことはない。

インフラ勉強会における貢献とは

では、インフラ勉強会における貢献とは何だろうか。
インフラ勉強会が成り立つ要素を分解すると、

  • 運営7
  • 環境提供
  • 登壇

そして、多くの人にとって一番気軽にできる貢献が「登壇」である。
現地で登壇経験者を確認したところ、およそ参加者の6割、インフラ勉強会での登壇経験があった。
実はこの数かなりすごい率ではなかろうか?正確な統計などはないが、体感でオフラインの勉強会で登壇経験がある人は実は相当限られるのではないかと思う。 それだけインフラ勉強会の登壇の敷居の低さが際立っているだろう。

とはいえ、残り4割は未経験であり、これからの登壇が期待される層である。
これらの層に対して、あるいは2回目以降の機会をうかがいつつもなかなか手が出ない人にとって、登壇のメリットとは?

登壇で得られるもの

今回、ひよこ大佐さんが紹介した観点は以下のとおりである。

  • 知識や経験の還元
  • 気軽なアウトプットの場
  • 知識・技術の補強
  • フィードバック

何より楽しい
私も晴れて「登壇した」側であるから、全力でうなずくが、確かにオンラインなので顔が見えないという恐怖感はある。
機材等の環境も含めてちゃんと伝わっているのか不安な点もある。
だが、じっくりと自分にとって落ち着ける環境で、自分のペースで話したり、チャットとやり取りしたりすることができる。 登壇して伝えるために、資料を作成する過程で、気づきや発見を得られることも多い。
万が一「失敗」したりしても、それを知見として受け止めてくれる環境でもある。
場所や時間にも縛られず、自由に発言することも、リアルタイムで多くの人の意見をもらうこともできる。

だからみんなも登壇しよう!!!

登壇に困ったら

インフラ勉強会のDiscordやTwitterハッシュタグをつけてつぶやいてみよう。
経験者がきっと助けてくれる。

「自分が登壇する価値などないのでは…?」
いやいや、仮に過去に同じようなセッションがあったとしても、「あなた」がやることに意味があるのだ。
「弱い」エンジニアだからと引っ込む必要もない。同じような境遇の人の助けになるだろう。

だからあなたも登壇しよう!!!(2回目)

S2: インフラ女子の日常の描き方@なつよさん

2番手、なつよさん。 表題でもある「インフラ女子の日常」の作者。

高専卒でこの業界に入り、開発するぞと意気込んでいたところ、配属されたのはサービス運用部。
LinuxDebianなど運用面の技術力は未経験であり、苦労されていたが、そういったインフラ面の四方山話をTwitter上で漫画にして投稿したところ、大反響。それが2018年から開始の漫画連載につながった。

インフラ女子の日常ができるまで

マンガができるまでの工程は

ネタ集め→ネーム→着色→文章(コラム)執筆→納品→請求書発行

そしてこれらすべての工程においてiPadが不可欠。なつよさんiPadに何かがあると、すべてができなくなるほど超重要。

ネタ集め

ネタのメモにはTrelloを使用(過去作品の整理でも利用されており、Trello駆動といえる)。
ネタは過去の経験や日常的な会話からつくっているそうだが、ともすれば業務上の機密のグレーな部分や特定の個人団体の悪口になってしまうおそれもある。そういった意図しない影響をさけるためにも、ネタとなるかどうかの観点として「マンガとして取り上げたときに、マンガの特性が生かせるか」といったところに気を付けているそうだ。

ネーム

基本的にはiPadとPencil、ソフト「ibis Paint」を利用しているが、たまにスケッチブックを遣うこともあるとのこと。
ネームの時に大事なのは「環境」。家だとゲームなどの誘惑が多いので、そことうまくきりはなすこと。

着色

作画していくうえで大変なのは、小物。
現場らしさが分かるもの(サーバ周りのちょっとしたケーブル・収納)をうまくとりいれることで、皆に伝わるそれっぽさを表現している。

絵心皆無の私だが、マンガ家・イラストを描く人の視点として興味深く感じた。
要するに、自分の周りの個別事象をいかにうまく、抽象的にかつ、納得度の高い具体的な光景に落とせるか… 文章を書く時にも必要な目線だなあと思う。

イラストは描けない人ですが、イラストを描く人自体は昔から周りによくいたおかげか、その当時からの技術進歩が進んでいるんだなと感慨深かったり、管理しているTrelloの画面からのネームをたくさん見せていただいて内心超テンション上がってた、ただのヲタクでした。

マンガを始めて得られたもの

つよさんがマンガを始めるまで、エンジニアとは「強い開拓者」である人に価値があるとおもっていたそう。
例えば、OSSへ貢献していたり、強い会社にいたり、執筆しまくってたりetc
でも、実はそれだけが貢献じゃないんだという考えに変わった。

普通のエンジニア向けになつよさんのマンガを通して、「あるある」を伝えることでエンジニア界全体にメッセージ・教訓を伝え得ることができる。その役割は万人ができるものではないという編集者さんの言葉からの気づき。

そして、マンガを描くという副業を通して、逆に本業に対する気づきにもなったとのこと。
マンガの反響をみると泥臭い経験を描いた回のほうが、反響が良い。
それだけ苦労している人も多いといえるし、そういった泥臭さにも大切なことがあるといえるだろう。

「副業」でなくとも、業務以外の外部活動とそれによる刺激って社内の活動への還元が大きい。
わたしも、アウトプットをはじめたことで、普段の業務に対する気づき・カイゼン思考が強まったように思える。
だから、「副業したら、本業がおろそかになる」という言説で一律禁止にするのはいかがなものかなあと思うのです。
(勿論、向き不向きもあるでしょうし、本業をほったらかすのは確かに本末転倒とは思うけれど、一律禁止にする理由はないよねという意味。「禁止」って思考停止であり、社員の自立を阻害しているのではないかと考えるだけです)

S3: 実践!イラストでわかりやすく表現する技術

3番手湊川あいさん。
マンガで始めるXXシリーズ、通称「わかばちゃんシリーズ」の作者。前回の技術書典5で販売したDocker本は1・2巻合計で2500冊超売れた、すごい人。

資料はこちら

docs.google.com

よく「マンガ内の解説は外部の人が書いたものなのか?」と聞かれるそうだが、ご自身で確認・検証している。
その原点は中学ごろから、自分の授業ノートにイラストで解説を書いていたことが始まりだそうで、そういうノートをとおして、難しいことをイラスト化するのが得意になったそう。

そして今回のセッションにあたって、参加者に「べきとう性」の図解が課せられたのです。
イラストが描けなくても、「いらすとや」や図形の組み合わせで十分表現できるので、ぜひ取り組もう。
雫を表現するのに「△+□で表現できるよね」という実例をみると、確かに、イラストが描けなくてもできるかも、、、なんて思ったが、そもそもイラストで表現できること自体が、描く技術じゃなくて、物事の捉え方だなと思ったのは後述。
私も、今になっていらすとやを貼り付けただけの図はつくったので、最後に掲載する。

図解ができるまで

湊川さんのわかりやすく、共感性が高い図解・マンガ能力は以下の観点を持つことで成り立っている。

つまずいたことをメモ

初めて取り組んで躓いたり分からなかったことをとにかくメモすること。
特にポイントとしては、解説を見てもわからなかったことを中心に、その分からなかった時の感情をメモするとGOOD。
あとで漫画にすると、それが生きたメッセージとなり伝わりやすい。

過去の躓いた自分の答えを作る

過去の躓きに対して、自分で答えを作ってみること。 最初は正確さを重視。

だが、人に伝えるにあたっては、正確なだけでは結局伝わらない。
「早く・重く」まるめてあげることが重要とのこと。どういう意味かというと、分からない初心者に情報を詰め込んでも伝わらないしすぐにすり抜けてしまう。
だからこそ、最初は相手が理解できる「分量」で分かりやすく伝えることが大事。

では、具体的な「コツ」とは?

①中学生にわかるような表現
言い換えたり、具体例を用いて、イメージがわくようにすることが大事

②抽象と具体/事例と比喩をつかいわける

  • 抽象:要するに~~
  • 具体:例えば~~
  • 事例:実際、~~
  • 比喩:まるで~~

という4タイプの言い回しをうまく使うこと+これらをもとに、相手に感情を起こさせる(なるほど、共感、オチ)ようにすると印象に残る。

さらっと書きましたけれど、なるへそという思いが止まらなかった。
相手の立場に立って~~などと安易に言っちゃうけど、それってこういうことを満たすことなのかと目からうろこだった。

表現する&発信する

今まで考えたことを用いて、いろんな媒体で表現し、実際「外に」発信してみよう。

幸い、最近の発信のハードルは低く、Twitterでちょっというだけでもバズることもしばしば。
自分に合う媒体でとにかく出してみることって結構大事だなと痛感している。

図解のノウハウ

図解の基本構造として2つの項目があったときに

  • 対比
  • 内包
  • 因果

等ある。これらを明らかにすると同時に、「だからどうした?」という感情的な結論を見せることで納得感を増す。
そして、「やさしい」→「むずかしい」→「どういうこと!?」→「わかった」という納得のサイクルを回すことで、飽きさせない湊川さんのマンガが成り立っている。

さいごに

分かりやすく表現することは、相手へのおもてなしである。
難しい解説が続くときは丁寧に整理したり、逆に簡単なことが続くときにはギャグを入れて飽きさせないなど、相手の目線を理解したうえで、いい塩梅で情報を出すことが、わかりやすい解説、図解への一歩である。

「全然わからない初心者だし…」という今こそチャンス。
「わからない」が「わかる」になる経験を積める初心者だからこそできる解説がある。
それをまとめるだけでも、あとに続く初心者が同じ躓きをしなくてすむかもしれない。

だからみんな本を書いてね。
私もいい加減、技術系アウトプットもします… というわけで。

私が考える「べきとう性」とは

f:id:hekitter:20190204214833p:plain

解説必須で「図解」といえるのか微妙ですが、要は

どんな環境(矢印左の動物たち)からであっても、同じ個体(クマ)が生まれる。

みたいなイメージととらえているのですがどうでしょう?
Dockerでいうと、
MacだろうがWinだろうが、同じDockerfileさえあれば、元の環境に関係なく、同じ環境が作れる
と認識しているので、そんなイメージです。

  • 抽象:要するにいつでもどこでも、おんなじものがつくれる
  • 具体:例えばDockerとかそうだよね
  • 事例:実際、WinやMacなどの差異は関係ない
  • 比喩:まるで同じ細胞からできるクローンじゃね?

S4: 私に背中を見せてくれた永遠の上司Sさん@沢渡あまねさん

4番手、沢渡あまねさん。
言わずと知れた、問題地図シリーズの著者であり、「ダムはいいぞ」「さわやかはいいぞ」の方。
IT×広報の立場で、非エンジニア界隈もふくめた、ITの文化や手法による業務改善の伝道師。

資料は

www.slideshare.net

今回の「上司」のトピックについて

「上司の問題地図」や「アンチパターン」ではなく、すごい上司Sさんのお話について。
ちなみにこちらは、Twitterでのアンケートによって決まったそうな。

もう一方のITILのお話もぜひどこかで聞きたい。
ちなみにこの本は私も持っています。おすすめ。

Sさんとの出会いー転職の面談

沢渡さんの上司Sさんとの出会いは、転職での面談。
そこで一度も、転職理由については聞かれず、当時課題となっていたオフショアのお話をした。
入社後に聞いて曰く「一緒に未来を作る人を探すための面談で、なぜ転職理由を聞く必要があるのか」ということ。

更に、本来の予定であれば本部長面談も行うはずだったのに、この面談の後間もなく転職が決まったとのこと。
このスピード感が決め手となり、沢渡さんはNTTデータに入社することとなった。

このことから、転職で本当に大事にすべきは、この人(会社)と未来を作れるかということ。
その判断軸はひとそれぞれだが、根本の仕事や世の中に対する考え方を面談などを通して、いかにストレートに意思疎通できるかがカギだろう。

入社後ー顔を広める

入社後、Sさんが沢渡さんに課したのが「社内100人、社外100人の知り合いを作る」こと。
そんな無茶な、、、という感じだが、Sさんはそのための後押しとして、社内での知り合いを増やす場やカンファレンスに連れて行ったりした。
Sさん自ら外部の勉強会に気軽に参加することで、部下も行きやすいのはもちろん、その学びを持ち帰って共有することを率先することで、自然と知の循環も行われる。
極めつけは、NTTデータの当時の副社長と会話する場をセッティングすることで、いろんな人から話しかけられやすい状況を沢渡さんに作った。

何という鮮やかさ、徹底っぷり、美しい師弟関係…
ここまでSさんが人のためにできるのは、沢渡さんのことを大変買っていたというのも大いにあるだろう。

そして、特に好きなのが、(以下自粛)。
世の中には2:8とかいろいろな法則があり、残念ながら負の感情やマイナスの噂のほうが声が大きくなって伝播しやすい。
だからこそ、何か信じるところがあるならば、そういうものを気にせず進まねばならない。

加速期ーマネージャーの言動がチームを作る

Sさんにはいろいろと口癖があったそうだ。
その一つが「インプットとアウトプットは何?」
そう部下に問い続けることで、自然と部下の報告も形作られる。

ある1つが「30~40点でよいから、すぐもってきて」
ビジネスのスピード感をよく理解していらっしゃるし、相談も自然とできる。

また別の1つが「きみがそんなことはしなくてよい」
組織であるからには人には人の役割がある。
事務が苦手と公言する沢渡さんに事務をさせないことで、本来の役割に集中させ、価値を最大限発揮させる。 こんなに「当たり前」にしたいはずことに、ふたをかぶせてしまう組織やチームがいかに多いか…

ある時には「売るための経験やノウハウをためよう!」
仮に内製組織であったとしても、それをノウハウ化することが今を救うだけでなく、いずれ外へのエネルギーになる。
たとえ、ただのルーチンであったとしても、そこから何を見出すか。

そして、「好きな人を引っ張ってきていいよ」
もはや、最高だ!言わしめる沢渡さんも、それを言えるSさんも。 そういう人が周りにいたとき、ぜひ一緒に働きたいといってくれる人がどれだけいるか。
もし私にそう言ってもらえた時に、一緒に仕事できる人がどれだけいるか。
それって、これからの人としての価値、プロとしての価値の1つではなかろうか。

炎上期ーピンチの時こそ人の真価

炎上とは避けたいのに避けられない業である。
だからこそ、人としての器が見える期間でもある。

そんなときのSさん、普通の炎上期ならより密な報告が求められがちだ。
しかし、「わざわざ報告に来なくてよい、それなら自分が行く」と沢渡さんを業務、特に現場の指揮に集中させようとした。

実は私も似たような経験(炎上していた時に、上の方が自ら現場の状況を積極的につかみに来ていただいたこと)があり、そういう時って本当に動きやすい。どう報告するかということに気を取られてとりつくろわなくて済むし、「一緒に戦っている」感が高まる方法といえる。
※もちろん、上の方がそれ「だけ」をされると困るのだが。

どうしても言わなければいけないことをチームに言おうとして、Sさんに相談したときの一言
「(沢渡さんが)嫌われてはいけない、俺が言う」
マネージャーやリーダーの立ち回りの匙加減って難しいなと思う。
ちょうど君主論を見ていたら、 「リーダーには恐怖がないといけない、だが嫌われてはいけない」
という考えが紹介されており、何となくこの話をまた思い出した。

炎上中、BPのヘルプデスクにハンバーガーを配るSさん。
立場に関係なく頑張ろうという気持ちが通じるし、沢渡さんもおっしゃっていたように、こういった些細な気遣いって結構覚えているんですよね。私も身に覚えがある。

沢渡さんのご家族にトラブルがあった際、炎上中なら顧みる余裕もない。だがSさんはこう言って、ちゃんと面倒を見るように諭した。
「安心して休みなさい、こういう時のために課長がいるのだから」
こういうことをきっかけに「問題地図」シリーズは生まれたそうだ。

確かに、がむしゃらにやらなきゃいけない時もある。あるかもしれないけれど、それって家族などの大事なものを捨ててまでやらねばならないのか?
私自身も、炎上でつらい思いをしたこともある。その時に言われる一言一言が、辛さを増幅させたり逆にすごく励みになったりする。
炎上期こそ人が問われる、とはまさにそういうことだろう。

旅立ち~今

離職後、沢渡さんが初めて出版されたとき、Sさんから久しぶりに連絡がきたそうである。
「出版おめでとう」と。
特に連絡もしていなかったのに、たまたま本屋で見かけてSさんはピンときたそうである。
本当の意味で通じ合っているとはこういうことだなと思う。

そして、最近久しぶりにSさんと再会したそうである。
近況を聞くと、子会社の閑職に回されてしまったとのこと。
それでもなお、今いる場所でのカイゼンを続けており、2年かけて成長を諦めない姿勢を示し続けたそうである。
おかげで、部下が自ら勉強会に行くようになったり、新しい勉強の成果を報告してくれるようになったそうだ。

ついつい、できない人が悪いとお互いに言いがちである。でもそれって、お互いに何かを諦めてしまった状態ではなかろうか。
そういう状況であっても、何とかする継続的なパワーと姿勢を持ち続けられるSさんに脱帽である。

Sさんに教わったエンジニアの価値

エンジニアの価値とは、「いいものに素直に良いと認める」しなやかさ。
そのためには、面白いことを見つけては取り入れ、逆に繰り返し=つまらないことは極力排除することで、エンジニアとしての創造力を持ち続けることが肝要ではないだろうか。

そうか、そうなのか。

私のエンジニアの定義は「課題解決する人」だった。
そこには課題を見つける「鋭さ」や「心の豊かさ」、課題を自分ごとにできる、人としての「共感性」、解決する方法を見出す「知恵」や「技術」、解決まで貫き通す「芯の強さ」が必要と思っている。
エンジニアであり続けることを選んだ私が、どんなエンジニアになれるのか、そう考えなおすのに、とても面白い定義だなとおもう。
硬直化した組織はエンジニア組織ではありえないだろう。世の中に求められるエンジニアは、真に人の世にあるべき姿を「技術」を軸に追い求め、提供することだろう。
そのために常に古きものから新しきものまで追い求め、その価値を判断し、認め、実社会に取りこむこと。
と考えてようやく、沢渡さん流エンジニア論が腑に落ちた。

私のお気持ちのお話

某Podcastなどで「沢渡さん、尊敬してます!」と発言し、ちょうどイベント1週間ほど前にマネージャーの問題地図で登壇させていただきました。
当日、内心ドキドキでお話しさせてもらい、本にサインまでいただきました。
でも、いつもは本当に気さくにTwitter等でお話しさせてもらっています。

そんなお気持ちの中、初めて生の沢渡さんの登壇を聞かせてもらいました。

「尊敬してます」などと気軽に言えないほど圧倒されました。
周りに人がいなければ泣いていたでしょう。様々なバックグラウンドの参加者の人生の中に少しずつリンクするものが感じられて、かなりの人にとって響くものであったことはTwitter等を観測する限り、確かだと思います。
事実ベースなのに、これほど鮮やかにその光景・感情まで思い起こされるような力、Sさんの力もさることながらそれを自分のものとして改めて発信する沢渡さんご自身のお力がなければ、ここまで圧倒される登壇だという感想を抱かなかったでしょう。

誰しもに、尊敬できる上司や先輩の思い出が1つや2つはあるでしょう。その尊敬できる人の思い出の背景にはつらいこともあるでしょう。 私も、お話を聞きながら新人のころのあれこれ、直近のあれこれをふと思い浮かべました。 恐らく、聞いていた皆さんもそうだったのではないでしょうか。

実は終わってからも、じんわりとなんとも言えない感情のままでした。
私の行く道の先に、こんな風なパワーで人に何かを伝えられるのかと。
おこがましいかもしれませんが、改めて私は沢渡さんを尊敬しています。まだまだ、ひよっこの私です。どうなるかもわかりません。
それでも、やり方や道は違っても、沢渡さんみたいなパワーのある人になりたいなって思います。

総括

私の感じたインフラ勉強会オフイベ。

それはインフラ勉強会最高だな。その一言に尽きる。

そして、あえて蛇足気味に付け足すならば、1にも2にもアウトプット・登壇。
3・4がなくて5くらいまでいってから、いろいろこのオフイベの知見を参考に内容を深ぼればいい。 みんな登壇しようぜ!

最後になりましたが、現地でお会いできた皆様、お声掛けしそびれた皆様、また会いましょう!


  1. しかもセッションだけではなくお土産として、リストバンドと限定同人誌付きで、もはやこれだけでペイできてしまう。素晴らしい世の中だ。

  2. 技術音痴エンジニアのためであり、当時はわからなくても突撃するほどの精神は持ち合わせていなかった。

  3. 登壇詳細はこちら。資料はこちら

  4. 後ほど著書にサインをいただきました。ありがとうございます!

  5. 後で知ったことだが、スタッフの皆様やオンラインで参加されていた皆様からの情報提供によるものを集約したそうだ。コミュニティとしての温かさを感じる

  6. 私自身、関西弁を忘れ気味で普段はしゃべれない。関西弁で話しかけられればまだまだ現役

  7. 運営に関しては、当日配布された限定同人誌をぜひ読んでいただきたい。これ一冊でまた泣きながらお酒が飲める。

価値観ババ抜きで自分を「発見」できるのか #devlove

本日参加してきた #devlove 主催イベント

devlove.doorkeeper.jp

に行ってきたので、その感想と私の「価値観」についてお話。

価値観ババ抜きとは

myvaluecard.com

詳細は公式サイトに譲りますが、要するに

  • 最終的に「価値観」が書かれたカード5枚を決める
  • ババ抜きの要領でカードが循環する
  • 「価値観」カードの取捨選択が悩ましい

「ババ抜き」を経て、自分の本当に大事な「価値観」が見えてくるという寸法だ。

イベントの流れ

  1. OP    DevLOVEの紹介等

  2. アイスブレーク

  3. 「価値観」や「欲求」に関する前提のお話

  4. 「価値観ババ抜き」のルール

  5. 価値観ババ抜き

  6. シェアワーク・内省振り返り

参加の動機

カイゼン・ジャーニー」経由でDevLOVEを知ったが、どのイベントから行ったものか…
技術やアジャイル特化だと内容からの学びが不十分になりそうだし、開催場所が高円寺(ヴァル研)だと時間的に行けない…
などの理由からなかなか行けない状態だったが、ようやく行ける条件がそろうイベントかつエンジニアから見た自己探求のイベントという点で面白そうだったので、参加。

前提:価値観とは

今回の主題である「価値観」とは、以下の対比からあらわされる。

  • 「強み」=得意なこと ←人に発見してもらえる
  • 「価値観」=大切なもの ←発見しづらい
  • 「興味・関心」=好きなもの ←自分でわかる

だから、本当は大切なはずなのに、日常の些事によって覆い隠されている価値観を「発見」することが今回の目的である。

感想

心理的安全性を高めるワーク

今回一緒になるチームメンバとの心理的安全性を高めるため、

  • 「ここ3日で感謝したこと」
  • 「実は私〇〇なんです」

を高速で共有しまくるワークと相手を承認する、拍手のワークから始まる。

ガチガチのSIerかつ大人数常駐世界にいる私からすると、まずこの時点で目からうろこ。
高速で回す=余計な「恥じらい」「戸惑い」を感じる前に、話さざるを得ない。
しかも、相手がどういう生活・感じ方をしているかを垣間見ることができる。
そして、相手を承認することが前提かつ共通認識なので、言葉を発する・聞くたびにものすごい快感を得られる。
なるほど、これがいいチームビルディングのきっかけなのか、と感心した。
自分のチームでは難しくても社内勉強会なら持ち帰れそうだ。

価値観ババ抜きの悩みどころ

本題に移る。
価値観ババ抜きは最初にランダム5枚→入れ替えしていく形である。
なお、価値観カードは47枚ほどあるそうで、重複はない。

カードを捨てることへの抵抗

5回の入れ替えが発生するのだが、最初のほうは明確に「これはちがう」といえる。
例えば、自分なら「チームワーク」は(大事じゃないとは言わないけれど)5本の指に入る価値観ではないな、等。
だが、捨てる時には「○○を手放します」と宣言をするルールとなっているため、非常にカオスかつ厳しい言葉を発せざるを得ないことがある。
Buzzワードは「私は宇宙を手放します」、私が実際やっていて言いにくかったのは「私は愛を手放します」。

ほしいカードが手に入らない

チームのメンバが自分の欲しいカードを持っていて、かつその人にとっても大事なカードであった場合、そのカードは「手に入らない」。
例えば、最初場に「自由」があり、ほしいなと思っていたが、別の方が先に取ってしまったため、今回のゲームではそのカードは手に入らなかった。

終盤戦の価値の洗練

終盤戦になるとある程度固まってくるがゆえに、捨てるのが難しくなってくる。
捨てる(人に取られる)と拾う(場から拾う)がセットであるが故に、要は場にあるカードで手持ちのカードよりも大事なものは何かという計算が行われる。
例えば、悩ましかった例として「知識」を捨てて「学び」を取るという選択をした時だ。
この計算をする際に①手持ちのカードから一番価値が低いものを何とか選び出し②場のカードからそのカードと交換できそうなカードを探し③そのカード言葉自体の定義を見返して最終判断をする、ことが必要になる。
何気なく、大事そうに普段使っている言葉のブラッシュアップと内省が自然と図られるわけだ。

今回の価値観ババ抜きの結果と意味づけ

今回の私の最後の5枚はこちら。

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「楽しさ」「創造」「情熱」「革新」「学び」

参考までに他のチームメンバー分も紹介 。私にとって、ほしいなと思えるカードが満載である。
※掲載許諾済み。ありがとうございます。

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「おもしろさ」「成長」「チャレンジ」「自由」「誠実」

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「達成」「効率」「チームワーク」「発見」「最高」

ちなみに、この見た目の配置にも意味があり、5枚が決定してから、価値の重さや意味づけを行う。その補足が黄色の付箋である。

ちなみに、私の「楽しさ」「創造」「情熱」「革新」「学び」をそれぞれ定義しなおすと

  • 「楽しさ」:心の奥底からわくわくする状態
  • 「創造」:自分の視点を変えることによって、世界を「創り直す」、あるいは、実際の変化を「造る」
  • 「情熱」:心の底から成し遂げたいと思い続けられる活力、エネルギー
  • 「革新」:世界を新しいフェーズに導く
  • 「学び」:経験や知識等から自分なりに感じて、次に生かす

であり、自分にとって「楽しい」が動機であると同時に、楽しい世界を作りたい(「創造」)、そのことに「情熱」を燃やしたい。
そのために、不断の「学び」を続けて世の中を「革新」したいという意味合いである。1

「価値観」の振り返り

これで終わり…ではない。
最終的に一枚の紙を渡され、チームメンバーの価値観も含めて、大事な3つを選び、それらをどのように自らの課題に生かすか、というのが最後の振り返りである。

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最後の3つの価値観

最後に選んだのは「楽しさ」「自由」「創造」である。
これは、私の場合はすんなりと決まった。

「楽しさ」「創造」は先述のとおりであるが、私にとって「自由」とは

  • 世界から束縛されていない、同時に自分自身も過去や固定概念にとらわれていないで、目的のためにまっすぐである

と定義した。

そして、私にとっての課題とは、「楽しさ」が自分にとっても世界にとっても満たされてない状態で「つまらない(退屈、貢献感がない)」ことに追われてしまうことだ。
だから、私は楽しいことを追い求めたい、みんなが追い求められる世界を創りたい、それが無理という自他の固定概念から自由になりたい。

というのが、今日2019/1/21時点の私の「価値観」である。

「価値観ババ抜き」は役に立つか

少なからず、何となく大事そうに使われる言葉の取捨選択を通じて、その言葉にどういう意味を自分やチームメンバが抱いているか、今の自分にとって何は捨ててもよいと思えるかを、まざまざと実感する場になるだろう。
「言葉」に対して敏感であればある人ほど、やる価値が高いと考える。
また、そうでなくても、ほかの人の価値の定義を見ることで、「自分と人は違う生き物である」ことを実感する場にもなるだろう。だからこそ、様々な研修の場でも使われるというのに納得である。

で、私にとってどうだったかといえば、自分の価値観は何となく思っていたところに帰着したように思える。
最近の自己分析癖のおかげだろう。
だが、それ以上に一つの何気ない言葉をとっても、とらえ方が違うというところに大いなる学びがあったし、自らの言葉の定義をアップデートできたところに面白みを感じた。
たとえば、「楽しい」と「面白い」の差、なぜ私にとって「楽しい」が重要なのかといえば、「楽しい」というのは自分の内側から湧いてくるような状態に対して、「面白い」は外的要因によって感じるもの、と何となく認識していたからだ。それをチームメンバの価値を通して、自分の考え方を「発見」できた。

これこそが、価値の「発見」であり、自己の「発見」ではなかろうか。

四方山話

ちなみにこの価値観ババ抜きはチームビルディングの最初のフェーズとしても非常に有効だそうだ。
このゲームをするときの自分の状況によっても、毎回違う「価値観」を選ぶ可能性が高く、複数回やるのも有効だそうな。


  1. ダイマになるが、私の「価値観」は成し遂げたいam ep.4でも、語っているのでぜひ聞いていただければと。近しいことを話している。